私はリフォームの営業・監督として水まわり工事を数多く担当してきましたが、洗面室の床工事で毎回強く感じるのは——
「洗面室の床張り替えは、“床材だけ”を見て決めると失敗しやすい」
ということです。
「床がぶよぶよする」「黒ずみが取れない」「めくれてきた」
こうした相談は多いのですが、実際の現場では床材より先に“下地”や“水漏れ”が原因になっているケースがよくあります。
目次
1. 洗面室の床が気になる…張り替えのタイミングはいつ?
洗面室の床は、見た目+踏んだ感覚で判断するのが基本です。
1-1. こんな症状があれば張り替えサイン

- 床がぶよぶよする・沈む
- 床が浮く・めくれる・つなぎ目が開く
- 黒ずみやカビが取れない
- 洗面台まわりだけ床が傷む
床がぶよぶよする症状は、床材の下にある下地が水分で弱っている可能性があります。放置すると補修範囲が広がりやすいので、早めの判断が安心です。
1-2. 洗面化粧台の交換に合わせると“無駄が出にくい”
床張り替えは、洗面化粧台の交換と同時が理想です。
理由はシンプルで、床をキレイに張り替えるには洗面台を外して施工する方が確実だからです。
ただし古い洗面台は給排水管の状態によって脱着が難しい・リスクが高いこともあります。
- 床だけ先に張り替える → 後で洗面台交換すると床をまた触る可能性
- 洗面台脱着費が二重になりやすい
- 古い配管・止水栓まわりは触るほどトラブルリスクが増える
結果として「床も洗面台もやりたい」なら、最初からセットで計画した方がコスパが良いことが多いです。
2. 洗面室の床が傷む原因は“水分の積み重ね”
洗面室は、毎日の水はね・湿気が当たり前に発生する空間です。
- 洗面台下の配管からの微漏れ
- 洗濯機ホース周辺の水はね
- 脱衣・入浴後の湿気
- 拭き掃除の水分が端部から入り込む
「表面だけ直せばOK」と思われがちですが、下地が傷んでいると再発しやすいので、工事の前に状態確認が大切です。
3. 洗面室に向いている床材
3-1. クッションフロア(CF)|水まわり定番でコスパ良
クッションフロアは、洗面室で最も採用されやすい床材です。

- 水はねに強く、お手入れしやすい
- 継ぎ目が少なく、見た目がすっきり
- 費用を抑えやすい
サンゲツのクッションフロア紹介ページ(デザイン・用途提案)も参考になります。
https://www.sangetsu.co.jp/newproduct/cushionfloor/
プロ目線の補足:耐久性重視なら“重歩行用(厚め)”も候補
「洗面室は出入りが多い」「小さなお子さんがいて床が傷みやすい」なら、
重歩行用クッションフロアも検討価値があります。
サンゲツの「CMフロア(厚さ2.3〜2.6mm)」
サンゲツ クッションフロアシート CMフロア・フローリングシートの通販サイト スタイルダート
3-2. フロアタイル|傷に強く、見た目も本物っぽい
フロアタイルは、耐久性や意匠性を上げたい方に人気です。

- 傷がつきにくく、洗濯機の重さにも比較的強い
- 石目・木目の再現性が高く、見た目が良い
- 部分貼り替えがしやすいケースもある
サンゲツのフロアタイル紹介ページ(柄・サイズ・空間例)はこちら。
https://www.sangetsu.co.jp/newproduct/floortile/
3-3. タイル|高級感はあるが“目地”が汚れやすい
タイルは防水性が高く高級感がありますが、洗面室では目地が汚れやすい点がデメリットです。
水垢・皮脂汚れ・カビが目地に残りやすく、こまめな掃除が必要になります。
また、最も高額になりやすいです。
ポイント
3-4. 薄いフローリング上張り・フローリング貼り替え|選ぶなら水まわり対応
フローリング系は空間になじみやすい反面、水まわりは相性が重要です。
採用するなら「水まわり対応」や「表面強化」の商品・施工条件を必ず確認しましょう。
フロアタイルよりも費用がかさむ傾向にあります。
4. 工事方法の基本|貼り替え?重ね張り?床材と状態で判断
洗面室の床工事では、「床が傷んでいるから貼り替えしかできない」と思われがちですが、
実際は貼り替え・重ね張りのどちらでも対応可能なケースがほとんどです。
重要なのは、
今の床材の種類と、床の高さ条件です。
4-1. 床が傷んでいる場合の基本的な考え方
床がぶよぶよしている、沈むなどの症状がある場合でも、
- 傷んでいる箇所を部分的に開口
- 下地を補修・交換
- 高さをフラットに調整
- その上から新しい床材を施工
という流れで工事を行います。
つまり、床が傷んでいる=全面撤去しかできない
というわけではありません。
貼り替えでも重ね張りでも、
補修後に適した工法を選ぶことが可能です。
4-2. 既存がクッションフロア・フロアタイル・タイルの場合
すでに洗面室の床が
- クッションフロア
- フロアタイル
- タイル
の場合は、基本的に「貼り替え(既存撤去)」が前提になります。
理由は、
- 下地の状態確認がしにくい
- 重ね張りすると接着不良が起きやすい
- 床が高くなりすぎる可能性がある
ためです。
水まわりでは、下地確認を省かないことが仕上がりと耐久性を左右します。
4-3. 既存がフローリングの場合は「重ね張り」が有力
既存床がフローリングの場合は、
撤去せずに重ね張りで対応できる選択肢が多いのが特長です。
フローリングの上から、
- クッションフロア
- フロアタイル
- タイル
- 薄いフローリング(上張り用)
を施工することができます。
フローリング自体を剥がさないため、
- 解体・処分費がかからない
- 工期が短く済む
- 費用を抑えやすい
というメリットがあります。
4-4. 重ね張りで注意すべきは「床の高さ」
重ね張りを選ぶ場合に必ず確認したいのが、床の高さです。
- 建具の敷居に干渉しないか
- 洗面室と廊下の段差が大きくならないか
- ドアの開閉に支障が出ないか
これらに問題がなければ、
重ね張りはコストを抑えられる有効な工法になります。
5. CF・フロアタイルを貼り替えるなら「内装屋」が入る。壁紙も一緒がコスパ良
クッションフロアやフロアタイルの施工は、基本的に内装業者(内装屋)が入ります。
つまり床工事の日に、同じ職人さんが壁紙(クロス)も触れる体制になりやすいです。
そのため、洗面室の壁紙が
- 黄ばみが気になる
- 湿気で浮き・黒ずみがある
- 全体が古く見える
という場合は、どうせ職人を呼ぶなら壁紙も同時交換がコスパ良くなりやすいです。
床だけ新品だと、壁の古さが逆に目立って「やっておけばよかった…」となりがちです。
6. 床張り替えと一緒に考えたい「巾木(はばき)」
床を張り替えると、巾木の汚れ・傷が目立つことがあります。
ここも一緒に検討しておくと、仕上がりの満足度が上がります。

6-1. 木の巾木(木巾木)の場合
木の巾木は状態が良ければ交換しないことも可能です。
ただ、汚れや傷みが気になっていたり、隙間・反りがあるなら、床に合わせて交換してもOKです。
6-2. ソフト巾木の場合は基本「必ず交換」
ソフト巾木は床材貼り替え時に端部処理の関係で基本的に交換になります。
「床だけキレイ」より、「床+巾木」まで整える方が見た目が一気に締まります。
7. 洗面室床リフォームの費用相場(床材別の目安)
目安は以下です(現場状況で上下します)。
- クッションフロア:3〜5万円前後
- フロアタイル:5〜7万円前後
- タイル:9〜12万円前後
- 薄いフローリング上張り:8〜12万円前後
- フローリング貼り替え:10〜15万円前後
費用が変動しやすいポイントは、
- 下地補修の有無
- 洗面台脱着の要否
- 巾木(ソフト巾木交換含む)の有無
- 壁紙も同時交換するか
です。
8. 後悔しないためのチェックリスト(見積もり前に確認)
現場で必ず押さえたいチェックポイント(具体版)
- 床が沈む/ぶよぶよする箇所はないか(下地補修が必要か)
- 洗面台は脱着するか(古い配管の場合のリスク説明があるか)
- 床端部の防水処理はどこまでやるか(壁際・洗面台下・洗濯機パン周辺)
- 巾木は何の種類か(ソフト巾木なら交換前提か)
- 床材の品番・厚み・機能(重歩行用など)は明記されているか
- CF/フロアタイル施工なら、壁紙同時交換の見積もりも取ったか(差額で判断できる)
- 工事後の保証・不具合対応の窓口が明確か
9. まとめ:洗面室の床は「床材+下地+内装」で考えると失敗しない
洗面室の床張り替えは、床材だけ選んで終わりではありません。
下地の状態、洗面化粧台とのタイミング、巾木や壁紙までセットで考えると、無駄な費用が出にくく、仕上がりも良くなります。
「床だけ直すつもりだったけど、結果的に全体がキレイになって気持ちいい」
この状態を最短で作るのが、洗面室リフォームのコツです。