「万が一トラブルが起きたらどうしよう?」と不安になることはありませんか?
多くのリフォーム会社では「アフター保証」や「アフターメンテナンス」を提供しており、リフォーム後の安心をサポートしています。この記事では、アフター保証の種類やその選び方、リフォーム後にトラブルを防ぐ方法について詳しく解説します。
こんな方におすすめ
- リフォーム会社のアフターサービス・アフターメンテナンスの基準が知りたい
- 一般的なリフォームの「保証」について知りたい
ただ、アフターや保証があると言っても、短い保証期間が過ぎてしまえば後は自己責任になってしまいます。
その部分の注意点も3章に記載していきますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
目次
1. リフォーム後の「アフターサービス」とは?
一言でリフォームの「アフター」と言っても、人によってニュアンスが様々です。
ここでは一旦アフターの意味合いを整理していきます。
アフターは主に2種類に分けられます。
アフターの種類
- アフターサービス(メンテナンス)
それぞれのリフォーム会社が独自に展開しているサービスのこと。工事完了後に電話や訪問して定期的にお客様とコンタクトを取って、工事後の状況を確認したり、必要があれば補修工事を行うこと。 - 工事や製品の保証
これは工事内容や製品、メーカーによって、一定期間だけ製品の性能が担保されている。
2章で「アフターサービス」について、3章で「保証」について具体的に解説していきます。
2.発生しやすいリフォーム後のトラブルやアフターサービスについて
本章では発生しやすいリフォーム後のトラブルや一般的なリフォーム会社のアフターサービスの内容を解説していきます。
2-1.発生しやすいリフォーム後のトラブルとは?
リフォーム後には意外にもいろんなトラブル・問題が発生します。たとえば、次のようなトラブルです。
- 壁紙の剥がれや隙間
- 水回り設備の排水の流れが悪くなる
- 設置した設備が動かなくなる
- 設置した設備や商材、壁紙などに傷を発見する
- 床材の反りや浮き
- 床材の反りや浮き建具(ドア・引戸)の建て付け不良
- コーキングの割れ・隙間
特に、引き渡しのときは何ともなかったり、気づかなかったことも、生活していくうちに発生することが多々あります。
新築と異なり、例えば排水管のように古い部分と新しい部分がつながると、想定していなかった詰まりが発生するように、リフォームがトラブルが起きやすいものです。
そんな時頼れるのは工事を依頼したリフォーム会社だけですが、実際にはどんなアフターサービスを展開しているのでしょうか。
次の章で具体的に解説します。
2-2. 一般的なリフォーム会社のアフターサービス

様々な会社のホームページなどに明記されているのは「定期訪問」です。
リフォーム会社の定期訪問とは?
リフォーム工事完了後、例えば「1・3・6ヵ月、その後毎年1回」などアフターの担当スタッフが定期的に自宅を訪問する
ただし訪問してきても、その内容はさまざまで、点検はせずに状況を確認するだけというケースが多いのが現状です。
よほどアフターサービスに力を入れている会社や規模の大きなリフォーム会社であれば、定期的に設備などを点検することもあるかもしれませんが、新築のハウスメーカーなどとは異なり、そこまで人員を割けるほど体力がある会社は稀だと理解しておくのが良いでしょう。
2-3.本当のアフターサービスとは?
2-2章で記載したとおり、リフォーム会社のほとんどの定期訪問は状況確認のみで、点検を行うことは稀です。
そのため「定期訪問」によって設備のトラブルなどを予防したり、早期発見することは難しいのが実情です。
つまり、私の経験から定期訪問が直接的に役に立っていることはありません。
では、どんなことが重要なのでしょうか。それは
ポイント
その会社や担当した営業・監督が、「リフォーム工事後もちゃんとお客様をフォローしていこう」という姿勢があるかどうか
これに尽きます。
姿勢がない会社や営業・監督の場合、トラブルが起きてしまい担当営業や監督に連絡を入れた後、すぐに対応してくれなかったり、最悪、適当なことを言って誤魔化してくるケースもあるでしょう。
その姿勢を感じるかどうかは、契約前の段階からみなさん自身で見抜いていく他ありません。
具体的な方法は4章でまとめています。
3. 設備保証と工事保証の違いと保証範囲

保証は次の2点に区分けされます。
- 設備保証
- 工事保証
それぞれ解説していきます。
3-1. 設備保証とは? 保証期間も解説
設備保証は、リフォームで新しく導入された住宅設備(キッチン、トイレ、給湯器など)が対象です。
この保証は設備を作っている各メーカー(TOTO、LIXIL、Panasonicなどなど)が責任を負っており、メーカーによってやや保証期間も異なります。
この保証により、設備に故障や不具合が発生した際に修理や交換を受けられます。
それぞれの設備によって保証期間が異なりますので、下記目安を記載します。
設備の保証期間
- キッチン、システムバス、トイレなどの水回り設備:1~2年
有償ですが5~10年に延長することも可能です。 - フローリングや建具などの建材:1~2年
- 内窓、窓、玄関などのサッシ類:2年
ガラスのみ5~10年と保証期間が長い。 - 照明器具やスイッチなどの電設部材:1年
- 外壁、屋根の塗料やシロアリ薬剤:5~10年
正確な期間は、各メーカーのホームページで確認したり、検索すればすぐにわかります。
当たり前の話ではありますが、使用方法が間違っていたり、過失による破損などは対象外となります。
3-2. 工事保証とは? 保証期間や注意点も解説
工事保証は、リフォームそのものの施工品質を保証するものです。
たとえば、施工後に雨漏りや壁のひび割れが発生した場合、この保証が適用されることがあります。
工事は職人ではなくリフォーム会社が一貫施工として、責任を負っています。
保証期間は各リフォーム会社によって少し異なりますが、ほとんどのリフォーム会社が工事する部位別に保証期間をわけています。
| 項目 | 保証期間 |
|---|---|
| 給排水配管、ガス配管、電気配線、水回り設備の設置、内装仕上げ | 1~2年 |
| フローリングや建具設置などの木工事、下地処理 | 2~3年 |
| 外壁・屋根塗装、シロアリ | 5~10年 |
| 躯体などの重要な部分 | 10年 |
施工ミスや不具合が対象ですが、経年劣化や自然災害は保証外になることが多いので注意が必要です。
工事保証は事前に覚えていてほしい注意点が多いので、下記3-3章で解説します。
3-3. 工事保証の2つの注意点
製品保証と異なり、工事保証はあいまいで注意すべき点が多いのです、ここでは3つに絞って重要な注意点を解説します。
施工不良かどうか、非常に分かりにくい
例えば、工事後、張り替えた壁紙の端が剥がれてきた、というケースでは施工不良だとははっきり言えません。
湿気によってめくれてきた可能性もありますし(壁面内の湿気)、下地の状態が悪かった可能性もあります。
新築の場合はすべて新品の製品を使うので、施工不良かどうかは判断しやすいですが、
リフォームの場合は古いもの(水道管や下地など)に新しいもの(水道管、壁紙、設備など)を設置するため、古いものの状態が悪いと悪影響が出てしまうのは当然です。
また、解体してみて初めて古いものの状態が確認できるケースも多いため、工事前に判断することもできません。
工事前にどんなリスクがあるのか、リフォーム会社の担当としっかりと確認を取りましょう。
リフォームの瑕疵担保責任(契約不適合責任)の期間は短い
新築の場合、「躯体に関わる部分、雨漏れ」などは瑕疵担保責任(今は契約不適合責任と言います)が10年設定されていて、法律「住宅品質確保促進法(通称:品確法)」に守れています。
しかし、リフォーム工事は品確法の適用外となっているため、瑕疵担保責任(契約不適合責任)は基本1年のみとなっています。
つまり、リフォーム会社が定める工事保証期間が責任の範疇となります。
例えば1年以上経ったあとに施工した場所から水漏れがあった場合は保証されない可能性が高くなります。
こういった事態を防ぐには、「あまり格安のリフォーム会社には依頼しない」「火災保険にしっかりと入っておく(水漏れも補償されている)」しかないのだと把握しておきましょう。
4. リフォーム後に後悔しないための「保証」と「備え方」
リフォーム後に「もし不具合が出たらどうしよう…」と不安になる方は多いです。
でも実際には、リフォーム会社は新築メーカーのような手厚い定期点検が“必ずある”わけではありません。
だからこそ、リフォーム後に後悔しないためには、「保証を正しく把握すること」と、「自分で備えておくこと」が重要です。
4-1. アフターサービスの利用で安心を得るコツ
アフターサービスという言葉を聞くと「困ったら見に来てくれる」「定期的に点検してくれる」と期待しがちですが、現実は会社によって差があります。
多くのリフォーム会社は、定期訪問があっても“状況確認が中心”で、本格点検までは行わないケースが多いです。
そのため、安心のコツはシンプルで、「保証書を読める状態にしておくこと」に尽きます。
まず最優先でやること
- 保証書の「対象」「保証期間」を把握する
- 対象外条件(免責)を確認する
- 連絡先・受付時間をすぐ出せるようにする
保証書は「保証対象」と「保証期間」を“項目ごと”に把握する
保証書は「1枚にまとまっている」こともあれば、「工事内容ごとに分かれている」こともあります。
ここで大事なのは、保証を“まとめて1年”のように雑に捉えないことです。
- どの工事(部位)が保証対象か(内装/配管/設備設置など)
- 各項目の保証期間は何年か(1年・2年・5年などバラバラになりやすい)
- 対象外になる条件は何か(経年劣化、使用方法、清掃不足など)
とくに、「工事保証」と「設備保証」は別ものです。
設備の不具合はメーカー保証、施工の不具合は工事保証――というように窓口も違うことが多いので、最初に分けて理解しておくと混乱しません。
不具合は“軽いうち”に相談するのが正解
リフォーム後のトラブルは、生活しているうちにじわじわ出てくることもあります。
そのときに「まあいいか」と放置すると、後から相談しても経年劣化扱いになりやすく、保証対応が難しくなる場合があります。
- 壁紙の剥がれ・隙間
- 水回り設備の排水の流れが悪くなる
- 床材の反り・浮き
連絡するときは、写真(引き/寄り)+発生時期+場所の3点セットがあると話が早いです。
「いつから」「どこが」「どんな症状か」を事実ベースで伝えましょう。
保証書や連絡先は、紙で保管するだけでなくスマホで撮影して保存しておくのがおすすめです。
4-2. リフォーム会社のアフターに頼りすぎない工夫
リフォーム会社のアフターはもちろん大切ですが、現実としてすべてを会社側だけでカバーできるとは限りません。
そこで有効なのが、「保証を重ねて備える」という考え方です。
設備メーカーの延長保証(有料・5〜10年)に入る
キッチンやユニットバスなどの設備は、標準保証が1〜2年程度のことも多いです。
そのため、必要に応じてメーカーの延長保証(有料)を5〜10年で付けると安心度が上がります。
- 保証期間:5年〜10年(プラン式が多い)
- 修理費・部品代・出張費が含まれるケースが多い
- 生活への影響が大きい設備ほど、入るメリットが大きい
特に水回りは故障すると生活が止まりやすいので、「不安が強いなら延長保証も検討」が現実的です。
リフォーム会社経由で加入できる設備保証も確認する(例:TOTOリモデルクラブ)
会社によっては、加盟団体の制度を使って設備保証に加入できることがあります。
たとえば、TOTOリモデルクラブ加盟店の場合、条件により有料で10年の設備保証に加入できるケースがあります(公式案内)。
契約前〜引き渡し時に「加入できる保証制度は他にありますか?」と聞いておくだけでも、後悔の芽を減らせます。
「どこに連絡するか」を先に決めておく
トラブルが起きたときに迷わないよう、連絡先を整理しておくのがおすすめです。
相談先の整理(迷わないための基本)
- 施工の不具合(仕上がり・取り付け・隙間など):リフォーム会社
- 設備の故障(動かない・異音・エラーなど):メーカー/延長保証の窓口
- 保証の範囲・期間の確認:保証書(不明なら会社へ)
最後にもう一度だけ。
「保証があるから安心」と思い込んで何もしないのが一番危険です。
保証書の把握+延長保証の検討+連絡先の整理の3点セットで、リフォーム後の不安はかなり軽くできます。
5. 結論:リフォーム後の安心を手に入れるために
リフォーム後の安心は、「アフターサービスがあるから大丈夫」と思っているだけでは十分とは言えません。
特に意識しておきたいのは、次の3点です。
- 保証書の「対象・保証期間・対象外条件」を把握しておくこと
- 不具合は小さなうちに、写真を添えて早めに相談すること
- 必要に応じて、メーカーの延長保証や設備保証も活用すること
これらを押さえておくだけでも、リフォーム後の「こんなはずじゃなかった…」という後悔は大きく減らせます。
リフォーム後の安心は、誰かに任せきりにして得られるものではありません。
保証を理解し、自分で備える意識が、長く安心して暮らすための土台になります。
ぜひ一度、手元の保証書やアフターサービスの内容を見直すことから始めてみてください。
