浴室暖房乾燥機は本当に必要? 費用・断熱とのバランスで考える

2025年7月5日

浴室暖房換気乾燥機

浴室リフォームを検討していると、よく目にする設備のひとつが「浴室暖房乾燥機(以下、暖房乾燥機)」です。

寒い浴室を暖めたり、梅雨や花粉の季節に洗濯物を乾かしたりと、便利な機能が詰まっていますが、実際には「そこまで使うかな?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

暖房乾燥機は、すべての家庭にとって必要不可欠というわけではありません。
住まいの断熱性や、家族構成、入浴のスタイル、洗濯物の干し方など、さまざまな条件によって必要性は変わってきます。

あずた
電気代・費用・断熱性能・設置方法などの観点から、暖房乾燥機の本当の必要性を検証し、あなたのご家庭に合った選択ができるよう詳しく解説します。

1. 暖房乾燥機の基本|暖房・乾燥・換気・涼風の違いをチェック

1-1. 主な4つの機能

暖房乾燥機には、1台で4つの機能が備わっています。

機能 主な目的 活躍シーン
暖房 浴室を暖める 冬の入浴前、ヒートショック対策
乾燥 湿気を取り除く・衣類乾燥 梅雨・花粉の季節の部屋干し代替
換気 湿気やにおいを排出 入浴後のカビ対策
涼風 風で体感温度を下げる 夏場の浴室のムレ対策

暖房は「人の快適性」、乾燥は「衣類や湿気対策」と目的が異なるので、機能ごとの役割を理解しておくことが大切です。

2. 暖房乾燥機が必要かどうか判断する3つのポイント

ここでは浴室暖房乾燥機の導入を判断する際のポイントを解説します。

2-1. 浴室の断熱性

築年数が古い家や浴室に大きな窓がある住宅、断熱力が低い場合はとうぜん冬場は冷えやすい傾向があります。

こうした住宅では、暖房乾燥機の暖房機能が活躍します。

浴室内の温度差を減らすことで、ヒートショックのリスクも軽減されます。

ただ、本文に記載していきますが「断熱力をアップする方法」もあるので、暖房乾燥機を導入すべきか合わせて検討しましょう。

2-2. 入浴スタイルと家族構成

高齢の方や小さなお子さんがいるご家庭、夜遅くの入浴が多い方にとって、暖房機能は特に重要。

浴室が寒いと入浴自体がストレスになりますが、暖房を使えば快適に過ごせます。

2-3. 洗濯物の干し方

「部屋干しのニオイが気になる」「外に干すスペースがない」「花粉・PM2.5が心配」

そんな方にとって、暖房乾燥機の乾燥機能はとても便利です。

衣類を浴室で乾かすことで、生活の質が上がります。

洗濯乾燥機よりも電気代はかかるため、洗濯機を買い替えるなども含めて一緒に検討しましょう。

3. 暖房乾燥機以外の寒さ対策もある!断熱強化という選択肢

暖房乾燥機だけが寒さ対策の手段ではありません。

浴室自体の断熱性を高めることで、快適性を大きく向上させることも可能です。

3-1. おすすめの断熱対策

対策 内容 効果
内窓設置 既存の窓に内窓を追加 冷気の侵入を防ぎ、暖房効率UP
断熱パック付きシステムバス 断熱材入りの浴槽・壁・床 湯温が冷めにくく、浴室も冷えにくい

■内窓設置(またはカバー工法で窓交換)
現状の窓が大きかったり、単板ガラスなど性能が低い窓だった場合は特におすすめ。
詳しくは下記ページもご参照ください。

■断熱パック付きシステムバス
築年数が古く、壁面に断熱材が入っていない(または効果がなくなっている)戸建ての場合に特におすすめ。
システムバス交換や断熱パックなどの各オプション費用をまとめたページもあります。

浴室全体の断熱性が高まることで、暖房乾燥機に頼らなくても寒くない浴室環境が実現できます。

また、断熱材をアップしておけば浴室暖房乾燥機を使用したときの電気代も下がるので、一緒にご検討ください。

4. 浴室暖房乾燥機のメリット・デメリットをチェック!

現在、住宅用の暖房乾燥機は「電気式」が主流です。その理由を、メリットとデメリットに分けて整理します。

4-1. メリット

  • スイッチ1つで操作が簡単

  • 比較的後付けしやすい

  • 洗濯物の乾燥にも使える

  • カビ・湿気対策としても有効

  • 換気扇などタイマー操作ができる

4-2. デメリット

  • 暖房や乾燥には電気代がかかる

  • 定期的なフィルター清掃が必要

  • 天井が低いと圧迫感を感じることもある


5. 暖房乾燥機の交換方法|浴室リフォーム時と後付け交換の違い

暖房乾燥機の交換・設置には、「浴室リフォームと同時」と「後付け」の2パターンがあります。

5-1. 浴室リフォームと同時に設置・交換するケース

✅ 特徴

  • ユニットバス交換時に一緒に設置すれば、工事がまとめられてコストが抑えやすい

  • メーカーのオプションで「断熱パック+暖房乾燥機」が選べる場合も

  • 浴室の快適性が一気に向上

⚠ 注意点

  • 初期費用は高くなる(浴室本体+工事費+暖房乾燥機)

  • タイミングを逃すと、後からの追加工事が割高になる可能性も

5-2. 既存の浴室に後付け・交換するケース

✅ 特徴

  • 工事は1〜2日程度と短期間で完了

  • 費用は比較的抑えめ(浴室リフォームに比べて)

⚠ 注意点

  • 浴室の天井構造やダクトの有無によって、設置できないケースも

  • 古い浴室(在来工法など)では追加工事が必要になることも


6. 気になる電気代は?使い方の工夫で節約も可能!

6-1. 電気代の目安(電気式)

使用モード 使用時間 電気代(1回あたり)
暖房 約1時間 約30〜50円
乾燥 約2時間 約60〜90円

特に毎日使用する場合は月1,000〜3,000円程度のコストが発生することがあります。

6-2. 節約のコツ

  • タイマー設定で使いすぎを防ぐ

  • 深夜電力プランを活用する

  • 湿度が低い時期は「換気モード」のみで十分な場合もあります


7. 設置費用の目安(電気式)

暖房乾燥機(電気式)を導入する際の費用は、次のような内容が目安になります。

内容 費用目安
本体価格 約5万〜15万円
工事費(後付け) 約3万〜7万円
合計 約8万〜22万円前後

🔹追加費用がかかりやすいケース

  • マンションで「2室換気」「3室換気」のタイプを使用している場合
     → 対応製品が限定されるため、本体価格が高くなりがちです。
     → 工事も複雑になりやすく、作業工数が増える傾向があります。

  • 現状が単なる換気扇(標準タイプ)の場合
     → 暖房乾燥機を設置するには、配線や換気ダクトの延長・追加工事が必要になることも。
     → 電源が100Vから200Vへ切り替えとなると、分電盤からの電気工事費が別途発生する可能性があります。

💡節約のポイント

  • 浴室リフォームと同時に設置すれば、電気工事やダクト工事をまとめて行えるため、総費用が抑えやすくなります。

  • 製品選定時に、「今の浴室環境で無理なく設置できるモデルか?」を事前に確認すると、追加費用を回避しやすくなります。


8. 【補足】ガス式暖房乾燥機の特徴と注意点(対象者限定)

ガス式の暖房乾燥機は、パワフルな乾燥・暖房能力が魅力ですが、設置条件が限られます。

8-1. メリット

  • 高出力で立ち上がりが早い

  • 洗濯物の量が多くても、乾燥時間を短縮できる

  • ガス料金が電気より割安な地域ではコスパが良い

8-2. 注意点

  • 専用のガス配管が必要

  • 現在電気給湯器を使っている家庭では、新たに配管を引く必要があり、コストがかかりすぎる

📌結論:ガス給湯器を既に使っている家庭なら検討の余地あり。
それ以外は、電気式のままで十分です。


9. まとめ|暖房乾燥機の必要性は「住環境+生活スタイル」で決まる!

暖房乾燥機は、必ずしも全ての家庭に必要なわけではありません。
ただし、条件に合えば、生活を大きく快適にしてくれる設備でもあります。

9-1. チェックポイント

判断軸 ポイント
寒さ対策 断熱リフォーム+暖房乾燥機が効果的
洗濯事情 夜間や花粉の時期に活躍。部屋干し臭を防ぐ
電気代 使い方次第で無理なく節約可能
導入方法 リフォーム時 or 後付け、それぞれの特性を理解
設置方式 基本は電気式、ガス式は限定された条件のみ

自宅の状況とライフスタイルに合わせて、「自分たちに本当に必要かどうか」をじっくり見極めることが、後悔しない選択につながります。

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