床の傷やきしみ、掃除してもなんとなくきれいに見えない感じ。
毎日使う場所だからこそ、
ある日ふと
「そろそろ床、どうにかした方がいいのかな…」
と気になり始めることがあります。
ただ、いざ調べてみると、
フローリング工事は思った以上に分かりづらいものです。
ネットでは
「上張りは安くて手軽」
「貼り替えの方が安心」
といった情報が並んでいて、
読めば読むほど、逆に迷ってしまう
という声をよく聞きます。
でも現場では、
最初から工法を決めない方が、結果的に後悔が少ない
ケースがとても多いです。
「選ばなきゃ」と焦らなくて大丈夫です
この記事では、
「どっちが正解か」を決めるのではなく、
自分の家の場合、どう考えればいいのか
を現場目線で整理していきます。
現場では、「上張りでお願いします」と最初から決めて来られる方ほど、
一度立ち止まって整理した方がいいケースが多いです。
この記事では、どちらが正解かではなく、
どう考えれば後悔しにくいかをまとめています。
目次
1. フローリング工事で多い悩みの正体
1-1. 「床がダメ」ではなく、「気になり始めた」
フローリング工事の相談で多いのは、
床が壊れた、使えなくなった、
という状態ではありません。
実際には、
まだ使えそうだけど、違和感が出てきた
という段階で悩み始める方がほとんどです。
- 床が古くなった気がする
- でも全部壊すほどなのか分からない
- 上張りで済むなら楽そうだけど、不安もある
この
「もったいない気持ち」と「後悔したくない気持ち」
が同時に出てくるのが、
フローリング工事を難しくしている理由です。
1-2. 現場でよくある「きっかけ」
実際に相談につながるきっかけは、
次のようなものが多いです。
- 表面の傷や色あせが目立ってきた
- 歩くときのきしみ・沈みが気になる
- 掃除してもきれいに見えない
- 来客時に、床が気になってしまう
ここで大切なのは、
「この時点で工事が必要と決まったわけではない」
ということです。
「気になり始めた」時点で、考え始めていい
早すぎる判断でも、
大げさな悩みでもありません。
2. 上張りと貼り替えの違い
ここでは、
「どちらが良いか」の結論は出しません。
まずは、
何がどう違う工事なのか
を、主婦目線で整理します。
2-1. 上張りとは?
今あるフローリングの上に、
新しいフローリングを重ねて施工する方法です。
解体や撤去が少ないため、
現場では次のような特徴になりやすいです。
- 工期が比較的短くなりやすい
- 解体音やホコリが出にくい
- 住みながら工事しやすい
一方で、
今の床の上に重ねる工事なので、
段差・建具・サッシとの関係は必ず確認が必要です。
2-2. 貼り替えとは?
既存のフローリングを撤去し、
下地から新しくやり直す方法です。
下地の状態を直接確認できるため、
次のような判断がしやすくなります。
- 床鳴りや沈みの原因を確認できる
- 下地補修を含めた調整ができる
- 床材の選択肢が広がりやすい
ただし、
解体・撤去がある分、
工期・音・家具移動の負担は増えやすくなります。
この段階で
「上張りにするか」「貼り替えにするか」を
決めなくて大丈夫です。
3. なぜ最初に工法を決めない方がいいのか
3-1. 見た目だけでは分からないことが多い
現場でよくあるのが、
見た目と中身が一致しないケースです。
- 表面はきれいでも、下地が傷んでいる
- 傷は多いけど、構造的には問題ない
床は「踏んでみないと分からない」
部分が意外と多くあります。
見た目だけで工法を決めてしまうと、ズレが起きやすくなります
3-2. 建物条件で前提が変わる
同じフローリング工事でも、
マンションと戸建てでは前提条件がまったく違います。
- 管理規約の有無
- 床構造(直貼り・根太張り)
- 段差や建具の余裕
工法は、条件を整理した「結果」として決まるもの
4. マンションと戸建てで考え方が変わる理由
4-1. マンションの場合(防音規約の整理)
マンションでは、
管理規約による防音ルールが前提になります。
上張りの場合は、
すでに防音性能が確保されている床の上に重ねるため、
防音等級(LL40・LL45)を新たに取得する必要は、基本的にありません
一方で、
貼り替えやカーペットからフローリングに変更する場合は、
- 管理規約の防音等級を守る必要がある
- 使える床材が制限される
4-2. 戸建ての場合
戸建てには防音規定がないため、
工法の自由度は高くなります。
ただし、判断軸は
床の状態そのものです。
- 下地の傷み
- 床の凹凸(不陸)
- 段差・建具・サッシの余裕
- マンションは「規約」
- 戸建ては「床の状態」
5. 条件と希望によって「選択肢そのもの」が決まるポイント
ここからは、
「上張りか、貼り替えか」で迷ったときに、
条件次第で工法がほぼ決まってしまうケースを整理します。
5-1. 無垢フローリングを希望する場合
無垢フローリングを希望される場合、
最初に知っておいてほしい前提があります。
- 無垢材は6mm以上が基本的に推奨される
- 3mm以下の無垢は種類が少ない
- 湿度や温度で反りや動きが出やすい
実際に流通している
上張り「専用」フローリングを見ると、
無垢や突板はほとんど存在しません。
これは偶然ではなく、
上張り工法が
薄さと安定性を最優先するためです。
無垢を選びたい場合、張り替え前提で考えるケースが多い
ただし例外として、
6mm以上のフローリングが使えて、
建具・サッシ・段差に影響が出ない条件がそろえば、
上張りが可能なケースもあります。
5-2. 床暖房が入っている場合
温水式・電気式の床暖房が入っている住宅では、
フローリングが強力なボンドで固定されていることが多くあります。
この場合、無理に剥がすと、
- 床暖房シートや配線を傷める
- 床暖房ごとやり直しになる
- 想定以上に費用が増える
床暖房がある場合は、上張りを検討するケースが多い
張り替え自体が悪いのではなく、リスクと費用が一気に跳ね上がる可能性があります
5-3. 不陸(床の凹凸)が強い場合
床に凹凸がある状態で上張りをすると、
下地の状態をそのまま拾ってしまいます。
- 踏み心地に違和感が出やすい
- 見た目が落ち着かない
この場合は、
貼り替え+下地補修が現実的な選択になります。
ただし注意点として、
貼り替えでも、
- 下地が傷んでいる
- コンクリート直貼りで不陸がある
場合は、
レベラー(下地調整材)を流す必要があります。
貼り替え=必ずきれいになる、ではありません
5-4. 築30年以上の古い戸建ての場合
築30年以上の戸建てでは、
最近の住宅とは条件が違うことがあります。
- 各居室の間の敷居が高め(12mm以上)
- 根太張り工法のケースが多い
- 根太と根太の間で床が弱っている
このような場合、
3mm前後の薄い上張りでは、
床の弱さを拾ってしまうことがあります。
そのため現場では、
12mm・15mmのフローリングを上張りする
という選択を検討することもあります。
これは
「簡易的な上張り」ではなく、
床の強さを補う目的を含んだ上張りです。
5-5. ここまでの整理
- 無垢を選びたい → 張り替え寄り
- 床暖房がある → 上張り寄り
- 不陸が強い → 張り替え+下地調整
- 古い戸建て → 厚張り上張りという選択肢
工法は、好みではなく条件と希望の交点で決まります
6. 現場では、どんな順番で判断している?
ここまで読んでいただくと、
「上張りか、貼り替えか」は
単独で決められる話ではないと感じていると思います。
実際の現場では、
次のような順番で整理していくことが多いです。
6-1. 実際の判断フロー
- 床の劣化状態・不陸を確認
- 床暖房の有無を確認
- マンションか戸建てかを整理
- 希望する床材(無垢・複合など)
- 工期・音・生活への影響
- 費用感を見て方向性を決める
この流れを見ると分かる通り、
工法は一番最後に決まっています。
方法は、条件を整理した「結果」として選ばれます
6-2. 早く決めすぎると起きやすいズレ
「上張りの方が安いから」
「貼り替えの方が安心そうだから」
と、理由を一つに絞って決めてしまうと、
現場では次のようなズレが起きやすくなります。
- 上張り後に段差が気になる
- 床鳴りや踏み心地に違和感が出る
- 説明と実際の仕上がりにギャップを感じる
工法だけ先に決めると、条件とのズレが表に出やすくなります
7. まとめ|迷っている今が、いちばん正しいスタート
この記事で整理してきた通り、
フローリング工事は、
- 床の状態
- 建物条件
- 床材の希望
- 生活への影響
これらを整理した結果として、
上張りか、貼り替えかが自然に決まるものです。
また実際には、
リフォーム会社や担当者によって、
- 重視するポイント
- リスクの考え方
- 提案の方向性
が違うことも少なくありません。
一社の意見だけで決めなくていい
いくつかの考え方を聞いて比べることで、自分の家に合う判断がしやすくなります
主婦一人で抱え込まず、
営業トークに流されすぎず、
納得して決めるための手段として、比較や相談の場を使う
という考え方を、ぜひ知っておいてください。