浴室暖房乾燥機は後付けできる?失敗しないための注意点まとめ

浴室暖房乾燥機(乾燥中)

「浴室暖房乾燥機を後から取り付けたいけど、本当にできるの?」「うちはタイルの浴室だけど設置できる?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

実は、浴室暖房乾燥機は多くの住宅で後付けが可能です。

ただし、「今の浴室がどんな状態か」によって工事の内容や費用が大きく変わるのが実情です。

あずた
リフォーム営業・現場監督としての経験をもとに、後付け設置の可否・工事のポイント・費用の目安・浴室の構造別の注意点まで、わかりやすくご紹介します。

1. 浴室暖房乾燥機は後付けできる?基本の考え方と注意点

まず押さえておきたいのは、浴室の構造によって工事の内容が大きく変わるということです。

1-1. 設置条件で変わる工事の難易度

浴室のタイプ 特徴 設置の自由度
システムバス 天井裏に空間があり、配線やダクトが通しやすい 高い
在来工法(タイル壁) 天井裏がない場合が多く、壁付け施工が中心 中~低

たとえばシステムバスであれば、天井裏に空間があるため、天井埋込型の暖房乾燥機を設置しやすく、配線やダクトの取り回しも比較的スムーズです。

一方、在来工法の浴室(タイル壁・コンクリ天井など)の場合、天井に空間がないケースが多く、天井埋込型が取り付けられないことも。

このような場合は、壁面に設置するタイプの暖房乾燥機を使うことになります。

さらに、在来工法では天井裏や壁内に配線・ダクトを隠すことができないため、電源配線やガス配管が露出する可能性が高く、見た目や仕上がりに影響が出る点も考慮が必要です。

壁付け浴室暖房乾燥機

2. 工事内容|浴室の状態によって変わる3つのポイント

2-1. 本体の取り付けと天井開口

浴室暖房乾燥機を後付け・交換する際、まずポイントになるのが「天井(または壁)にどう設置するか」です。

たとえば、もともと天井に換気扇しかついていないシステムバスの場合は、既存の開口ではサイズが足りないため、新たに天井をカットして開口部を広げる工事が必要になります。

この作業は1〜2時間程度で可能なことが多いですが、天井材に補強が必要な場合もあるため、事前に現地確認が重要です。

一方で、すでに浴室暖房乾燥機が設置されているケースでは、交換時に新旧の本体サイズが異なると、追加の加工が発生します。

ポイント

  • 新しい機種の方が大きい場合 → 開口部をさらに広げる天井加工が必要
  • 新しい機種の方が小さい場合 → 隙間ができるため、専用パネルなどでふさぐ処理を行います

どちらの工事も難しい作業ではありませんが、見た目や防水性に影響する部分でもあるため、丁寧な仕上げが重要です。施工経験の豊富な業者であれば、サイズや開口位置の微調整も的確に対応してくれます。

しかし、在来浴室では天井裏がなく、天井開口ができない/制限されることがあるため、壁付けタイプを選択するケースが多くなります。

2-2. 電源工事は100V/200Vどちらもあり

暖房乾燥機には100Vタイプと200Vタイプの両方があり、製品によって必要な電圧が異なります。

  • 100Vタイプ:配線工事が簡単な場合が多く、後付けに適している
  • 200Vタイプ:出力が高く、暖房・乾燥性能が強力。分電盤に空きが必要で、距離が長いと配線費用が増加

在来工法では配線を天井や壁内に通すことが難しいため、配線が室内に露出するケースが多くなります。
そのため、100Vタイプの採用や、コンセント位置の調整などで仕上がりを工夫する必要があります。

2-3. 換気ダクトの有無と排気ルート

既に換気扇がある場合、既存の換気ダクトをそのまま活用できるケースが多いです。
ただし、換気設備がない浴室や、在来浴室で換気が壁付けのものは、ダクトの新設工事が必要になる場合があります。

ポイント

  • 戸建て:外壁に排気口を新設しやすく、比較的柔軟に対応可能
  • マンション:共用部に接続する必要がある場合、管理規約によって制限を受ける可能性がある

3. 工事費用の目安と価格が変動する理由

浴室暖房乾燥機の後付け費用は、現状の浴室設備や構造によって大きく異なります。

状況 費用の目安
暖房乾燥機 → 暖房乾燥機(交換) 約8万〜22万円
換気扇 → 暖房乾燥機(電気式) 約10万〜25万円
換気設備なし → 暖房乾燥機新設 約13万〜30万円(※構造次第)
在来工法・壁付け施工 上記+1〜3万円程度(配線・下地・露出施工含む)

3-1.費用が上がりやすいケース

費用が上がるケース

  • 在来浴室で壁補強やタイル加工が必要な場合
  • 露出配線を見えにくく処理したい場合(モール施工など)
  • 分電盤の空きがなく、新たに専用回路を増設する必要がある場合
  • マンションで管理組合の許可が必要なケース

4. 戸建てとマンションで異なる注意点

4-1. 戸建ての場合

  • 天井裏や外壁への加工が可能で、比較的自由に工事ができる
  • 在来工法の戸建ても多く、壁付け暖房乾燥機を設置している例も多数
  • 電源・換気経路の取り回しに柔軟に対応しやすい

4-2. マンションの場合

  • 在来工法のマンションでは、配線・ダクトの取り回しが困難なことも
  • 共用部(排気ダクト・外壁)に接続する場合は、管理組合の許可が必須
  • 「2室換気」や「3室換気」などの場合、本体選定が難しく、費用も増加しがち

5. よくある質問(Q&A)とプロのアドバイス

Q1. タイル壁の浴室でも取り付けられますか?

→ はい、取り付けは可能です。
ただし、天井に空間がない場合は壁付け設置になり、電気やガス配管が露出する可能性が高くなります。
また、タイル面に機器を取り付けるために、下地補強や振動による割れを防ぐ施工も必要です。

Q2. 自分の家に取り付けられるかどうか調べるには?

現地調査が必須です。配線ルート、ダクトの有無、天井裏の構造を確認しないと正確な判断ができません。
在来浴室では見た目や仕上がりの希望も含めて、工事方法を事前に打ち合わせしましょう。

Q3. 電気代はどれくらい?

→ 一般的な目安は以下のとおりです。

使用モード 使用時間 電気代(1回あたり)
暖房 約1時間 約30〜50円
乾燥 約2時間 約60〜90円

6. まとめ|「後付けできるか」だけでなく「どう設置するか」を意識しよう

浴室暖房乾燥機は、後付け可能な住宅が多い便利な設備です。
しかし、「設置できるかどうか」以上に重要なのは、どのような施工になるか・見た目や費用にどう影響するかという点です。

 まとめポイント

  • システムバスは設置しやすく、天井埋込型が主流
  • 在来浴室では壁付け施工+露出配線が現実的
  • 電気式は100V/200Vがあり、配線状況に応じて選択を
  • 費用は9万〜30万円が目安。構造次第で上下あり
  • 工事の自由度・見た目・使い勝手を天秤にかけて選ぶのが失敗しないコツ

まずは、リフォーム会社に現地調査を依頼し、自宅の浴室構造を確認してもらいましょう。
「暖房乾燥機が付いてよかった!」と心から思える設置をするために、準備がとても大切です。

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